”「ヤフーBB」、ADSL会員数が200万人突破(日経新聞)”
”電力系、IP電話基幹網卸売り――顧客囲い込み狙う”

私はヤフーBBに懐疑的だった。最近はそうでもないらしいが、あまりよくないカスタマーサポートであったり、質的に不安な面があったからだ。
しかし、ADSLはヤフーBBが牽引することとなる。

ビジネスモデルとして、インフラとISPをパックにすることで低価格にするというビジネスモデルが当たったというのもあるが(少なくともISP業界にはかなりの衝撃があった)、おそらくヤフーBBが当たったのはADSLの魅力ではなく、"IP電話"だと思われる。

ADSLであるから、本来インターネットの魅力で顧客をひきつけるものだが、「固定電話料金が安くなる、ついでにインターネットも格安でできる」、本来間違っているような売り方だが、「インターネットでこれがしたい!」という大きな興味を持っていない未開拓顧客にかなりヒットしたのではないと思う。
彼らはそれほどITに詳しくないので、ヤフーBBの質などに詳しいわけでもなく、またそこまでのシビアな品質も求めない。そして、そのような人々が一番重視するのはヤフーBBの一番の特徴である値段だと思われる。後付けだが、当たった理由は納得できる。

話が少し変わるが、この構図がカメラ付携帯と同じように感じる。携帯電話と無縁とも思えるカメラが頭打ちになりかけていた携帯電話市場を再浮上させた。それはドコモの長期的戦略を修正させるほどだから、本当に予想外だったのだと思う。

先に紹介した「電力系、IP電話基幹網卸売り」はISP業界を超え、固定電話に確実にダメージを与えそうだ。しかし、一つ疑問がある。IP電話に加入してもらうために、無料通話を前面に出している。しかし、利益が出るのはその加入者が他回線へかけたときの利益だ。加入者を増やせば、増やすほど無料通話の効果は上がり、加入者は増えてくるが、それだけ、他回線へかける人が減っていく、少なくとも利益率は下がっていくと思われる。

今後もこのIP電話は通信業界に衝撃を与えることになりそうだが、成功へと導くには、IP電話ではなく、新たな方法が必要なのではないだろうか。

コメント